何にでも線を引きたがる人、身の回りにいませんか?どちらかはっきりしないと気が済まない人。白か黒か、善か悪か、正解か不正解か、みたいな。線を引き区別する事自体が悪いことではないと思いますが、人生にはどっちつかずの曖昧さがあってもいいのかと、僕は思います。

「白でも黒でもなく、オフホワイト。」とある芸能人が言った有名な言葉です。オフホワイトであることが良い事かはわかりませんが、白から黒へとグラデーションしていく人生もありかもしれません。そんな人生のお手本になるような〈輪島キリモト〉の「ひら椀」を紹介します。

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唯一無二。現代的で上品なグラデーション。

伝統工芸品である輪島塗。その認知度の高さは言わずもがなで、世界的にも広く知られている日本を誇る漆塗の食器です。日常生活の中ではなかなか目にすることは少なく、お正月などのめでたい場面で見かけるという方も多いでしょう。多くの方が想像するのは黒や赤の単色の色味かと思います。漆塗ならではので華やかで高級感のある色合い。めでたいシーンにはうってつけの色ですがが、普段使いとなると少しハードルが上がってしまう印象も...。

〈輪島キリモト〉より販売されている「ひら椀」は従来の漆器のカラーリングとは異なった色味を楽しむことが出来ます。

黒からベージュへと徐々に変化していく色味は、現代的でスタイリッシュ。こんな漆器は見た事がないですよね。現代的な色味の裏には伝統的な技法”ぼかし塗り”が使用されています。伝統を大切にしながらも、現代の生活に合うものを提供している〈輪島キリモト〉でこそ、為せる技と言っても過言ではありません。これなら普段の食卓にも並んでいる姿が想像できますよね。

色だけでなく、形も。

「ひら椀」のもう一つの特徴はその形にあります。底から上縁にかけて緩やかに広がっていく形状で、他の器にはないような独特な形をしています。浅く、広く広がっているようなイメージです。

本来であれば形によって使用用途が限定されてしまう食器ですが、この形状のおかげで複数の用途に使い分けることが可能となります。ご飯を入れてもよし、サラダや煮物を盛り付けにも最適、といったように形に縛られず食事を盛り付けることが出来ます。一つあれば憂いなしとは、まさにこのことではないでしょうか。

背面はブランドロゴもなく、すっきりとした印象

上品にフェイドしていく色味は腕のいい職人を抱える〈輪島キリモト〉でしか表現できないもの。従来の漆器からは想像できない色味は海外の方からも人気なのだとか。自分用にはもちろん、プレゼントにもおすすめです。身の回りにいる線引きしてしまうあの人へ贈ってみてはいかがでしょう。

  • 輪島キリモト

    輪島キリモト

    石川県輪島にて、200年以上「木と漆」の仕事に携わってきた桐本家。 江戸時代後期から明治・大正にかけては輪島漆器製造販売を営み、 昭和の初めに木を刳ることを得意とする「朴木地屋・桐本木工所」に転業。 六代目・俊兵衛は、特殊漆器木地をはじめ、家具全般をも手掛ける設備を整えました。 七代目・泰一は、大学でプロダクトデザインを専攻、企業でオフィスプランニングに携わった後、輪島に帰郷。 朴木地業の弟子修行を経て、漆器造形デザイン提案、器や家具、建築内装などの創作をはじめました。 平成27年 商号を「輪島キリモト」とし、木地業を生業にしながら、多くの力ある職人さん達と一緒に、 木工製品や漆の器、小物、家具、建築内装材に至るまで、木と漆が今に暮らしにとけ込むようなモノ作りに 挑戦し続けています。

Text & Photo:
宮﨑涼司

人一倍、服が好きなCRAHUGのジャーナル担当。給料のほとんどをファッションへ投資する。好きなメディアは「AWW MAGAZINE」と「NEUT MAGAZINE」。

Date: 2022.02.18

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