最近よく聞くようになったナチュラルコスメ。なんとなく、環境に優しそう(?)とか、肌に良い(?)とかふんわりしたイメージはあるけど、正直普通の化粧品と何がどう違うのかがよくわからない。ざっくり良さそうというのは分かるけど、そもそもそのイメージって本当なのかな。なんて...だんだんとあふれ出てくる沢山の疑問符を、ナチュラルコスメの第一人者である〈BOTANICANON〉の黒木さんにぶつけてみました。読めばきっとナチュラルコスメの魅力に気が付くはず。化粧品って世の中に沢山溢れてるから、自分に合ったものを選ぼう。それもとびきり気持ちの良いものを。

▲ボタニカルファクトリー代表取締役社長:黒木靖之さん

そもそもナチュラルコスメって何?

ー〈BOTANICANON〉は自然由来というキーワードをもとにして商品作りをしていると思うのですが、そもそもナチュラルコスメに分類されるのですか?

【黒木】〈BOTANICANON〉はナチュラルコスメに分類されます。そもそもナチュラルコスメとは、植物をベースとして、できるだけ合成のものを使用していない化粧品のことを指します。昔で言うところの無添加コスメが、現在のナチュラルコスメに該当しますね。大きな枠組みとしてみると、ナチュラルコスメの中にオーガニックコスメという分類が存在しているような状況です。

鹿児島県南部に位置する肝属郡南大隅町
廃校になった小学校を工場にしている

ーナチュラルコスメとオーガニックコスメって意味が違うんですね?

【黒木】厳密に言うと異なります。〈BOTANICANON〉はナチュラルコスメではありますが、オーガニックコスメとは言わないです。これはどちらが優れているとかはなくて、あくまでもマーケティング的な要素が強く、安全性を担保しているものではないです。多くの人はこの2つの分類に違いを理解しておらず、同意(天然のもの、自然のもの)として認識している方が大半だと思います。

ただよく見るとその違いは分かりやすく、例えば〈BOTANICANON〉の自社サイトにはオーガニックという文言は一切記載していません。(原料は自然栽培や農薬不使用のものを使用していてこだわりはありますが)このようにユーザーは理解していなくても、ブランド側は気を遣っている場合が多いですね。

一般的な化粧品と何が違うの?

ーつまるところドラッグストアで売っているような化粧品と、ナチュラルコスメってどっちがいいんですか?

【黒木】違いという点でお話すると、成分から何から何まで違うのですが...。そもそも一般的な化粧品とナチュラルコスメを比較して考えることがあんまり相応しくないかもしれません。それぞれの分野で多流派の試合をしていると考えるとイメージしやすいかと思います。空手と柔道は同じ土俵で戦わないというのと同じように、素材やアプローチの仕方が異なるものを比較するは難しくて、一概にどちらが良いと言い切ることは出来ないはずです。僕自身もブランドを紹介する時には、対立軸で比較するのではなく、商品を優位性を説くように意識しています。用途に合わせたモノを選択し、正しく使用することが一番重要だと思っています。

個人的な話をすれば、例えばメイクアップであればケミカルのものでも良いと思っています。それはメイクアップの本来の意味として、一瞬の発色や、カバー力を求められるからで、そこに価値が重要視されるべきであると思っているからです。その一方で、スキンケアに関しては長期戦なので徹底的に口に入れるものと同様の成分のものを使うことを意識するべきです。口から入ったものは肝臓で解毒されますが、肌から吸収されるものについては、解毒する場所がないんですよね。なので、経皮吸収されるものについてはなるべく無害でケミカル類を使用しないというのが僕の考え方ですね。

ー「スキンケアは長期戦」ってキーワードですね。もう少し詳しく教えてください。

【黒木】本来の意味でのスキンケアとは、肌を強くするという事を指すと思っています。極端なことを言うと3日間何もしなくても大丈夫な肌を作ることが理想的なスキンケア。要は肌の水分と油分のバランスを整えることが最終ゴールなんです。このバランスが整うことで柔らかい肌になりターンオーバーが起こり、くすみがなくなったり、外観色が良くなったりします。これが僕の考える本質的なスキンケアで、一朝一夕では成し遂げることは出来ません。〈BOTANICANON〉の商品は即効性はないけど、長期的に使い続けることで効果が発揮されます。だんだんと肌が強くなり、本来のスキンケアを達成することが出来るのです。

気持ちの良いものを選べばいい

ーいろんなことを教わって実際に使ってみたくなりましたが、ぜひ使い方を教えてほしいです!

【黒木】〈BOTANICANON〉が推奨している使い方は大きく分けて2つあります。1つ目はフェイスオイルを塗ってから、化粧水を使う方法です。フェイスオイルを導入液として使って、その上から化粧水を押し込むようなイメージです。大切なのは押し込むという事。そうすることで長い間角質の中に水分が補給されます。

▲フェイスオイルEX/¥3,410(tax in)

▲ゲットウ化粧水/¥2,420(tax in)

2つ目は冬場や乾燥肌が激しい方にお勧めしている方法ですが、最初に化粧水を使って、その後エマルジョンを塗る手順です。あとはお好みでフェイスクリームや美容液を使っていただくと良いかと思います。

▲エマルジョン/¥2,530(tax in)

▲プレミアムクリーム/¥6,380(tax in)

ー結構簡単ですね...!

【黒木】そうですね。要は水分と油を効率良く取ることが目的なので、余分なものは取らないで大丈夫なんです。
ー最後の質問です。世の中には安いものから高いものまで沢山の化粧品があふれていますが、僕たち消費者はどんな風にコスメと向き合っていくと良いと思いますか?

【黒木】肌からも摂取しているという事をもう少し強く意識してみる、というのが僕からの提案です。食事であれば、成分表を見て選択している人は多くいるかと思いますが、化粧品はどうでしょうか。自分の肌に向き合って、長期的に付き合うのであれば、しっかりと成分を見て自分の使うものを選択していくべきだと思います。

自分がどんな肌を作っていきたいか、明確にすることが、今日の選択を左右していくと思います。今日さえよければいいのか、それとも80才になっても綺麗な肌でいたいのか。要はお腹され満たされればいいのか、それとも、健康的な食事を摂取するのか。食べるものが体を作りますが、スキンケアが肌を作ることも忘れてはいけないと思います。

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  • 株式会社ボタニカルファクトリー

    株式会社ボタニカルファクトリー

    本島最南端の大隅半島にある鹿児島県肝属郡(きもつきぐん)南大隅町は、亜熱帯気候と温帯気候が混在し、風光明媚なところです。その町にある、旧「登尾小学校」の一部を製造工場としてリノベーションし、「地産化化粧品」を目指し2016年にスタートしました。ハーブウォーター(蒸留水)やアロマオイル、植物エキスの抽出など、原料づくりから製品までを一貫生産しております。お肌にも、環境にもやさしい「サスティナブルコスメの追求」が商品づくりの基本です

Text & Photo:
宮﨑涼司

人一倍、服が好きなCRAHUGのジャーナル担当。給料のほとんどをファッションへ投資する。好きなメディアは「AWW MAGAZINE」と「NEUT MAGAZINE」。

Date: 2023.04.04

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