【梶原加奈子の想いごと】
軽量、防水の安心な着心地。
マルチスタイルに合わせやすい。
金沢発信の便利なハーフ丈アウター。

金沢、古き良き町並みと豊かな文化で知られるこの地は、新しい文化の発信地としても注目を集めています。そんな金沢から、雨の日も晴れの日も快適に過ごせるスタイルを提案するF/ACSIONが誕生しました。

男女共に合わせやすいユニセックス&シックなデザインが特徴

株式会社前垣の自社ブランドとして2020年にスタートしてから、シックでスタイリッシュなファッション感度が高いデザインは、レインウェア市場に新しい風を吹き込んでいます。

ファクトリーブランドの成長を支援するプラットフォーム、CRAHUGを通じてONWARD CROSSETのEコマースサイトでも人気が続いているF/ACSIONの背景には、どのような物語があるのでしょうか? 株式会社前垣のF/ACSIONブランドディレクター、佐越直樹さんにお話を伺いました。

F/ACSION ブランドディレクターの佐越直樹さん

強みを活かしたブランディング

梶原:株式会社前垣はもともとスポーツやアウトドアウェアの縫製を手がけていた会社ですが、レインウェアに特化したブランディングを進めた理由は何ですか?

佐越:F/ACSIONのブランド立ち上げに向けて、2018年から外部のコンサルティング会社と協力し、B to C向けのブランド構築を始めました。弊社の社長や社員も参加し、最初は自由な発想でアパレルに限らず新事業のアイデアを出し合い、最終的には金沢の雨を象徴とした都会でも着やすいファッションと融合したレインウェアに決定しました。弊社の培ってきた防水、撥水、防風機能がある縫製技術を軸に、雨が多いこの地域の特性を活かしたストーリーに強みがあると思いました。

株式会社前垣 金沢本社

撥水や防水の仕様

ブランド名の由来

梶原:ブランド名"F/ACSION"に込められた意味は?

佐越:"F"にはFactory(工場)、Function(機能性)、Fashion(ファッション性)の三つの要素を込めています。私たちのルーツであるモノづくりの精神、製品の機能性、そしてファッション性の追求を表しています。

F/ACSIONのマーク 金沢は365日の中で185日が雨の日という割合を表現

製品開発のこだわり

梶原:製品開発における特別なこだわりはありますか?

佐越:機能性を重視しつつ、都会の日常に溶け込むシンプルでベーシックなデザインにこだわりました。市場にはカラフルなアウトドアウェアが溢れていますが、私たちは敢えてファッション性を追求しました。

梶原:F/ACSIONの服はユニセックスで通勤のスタイルにも合わせやすいと思います。ONWARD CROSSETでも当初から人気が出たのは、汎用性が高くて様々な世代の方にも取り入れやすいけれど、他にはありそうでなかったデザイン性が影響していると思います。

MATSU レインコート

¥22,000(税込)

DETAIL

日々のスタイルに合わせやすいスカートやボトムス

KAGA オーバースカート

¥14,300(税込)

DETAIL
    
BUKE PT オーバーパンツ

¥14,080(税込)

DETAIL

市場への挑戦とCRAHUGとの連携

初の販売とその反響

梶原:ブランドを市場に打ち出した初期の反響はどうでしたか?

佐越:2019年12月にMAKUAKEで初めて販売をスタートし、400万円を超える注文を獲得しました。この結果があり、アーバンレインウェアの方向性が市場にも受け入れてもらえる可能性が高いと確信し、会社としてもB to C事業が本格的に始まっていきました。

意外な点ですが、スポーツやアウトドアのOEMを受けている工場は、ファクトリーブランドに踏み出している会社が少なく、防水、撥水、防風などの機能性があるウエアの中で、目立つ存在だったかもしれません。それが良い影響を生み出したと思います。

2020AW MAN/WOMANパリ展示会 2020AW 中目黒展示会

その後、パリで開催したJUMBLE主催の@MAN/WOMANというアパレル展示会に出展したり、東京中目黒で1週間ほど展示会を開催しました。もともとアウトドアやファッション系に繋がりがある方にサポートしてもらい、バイヤーさんを紹介して頂きました。ですが、その直後にコロナで行動制限となり、卸はあまり進展しなかったですね。。

B to B市場も縮小してOEMの仕事も仕入れ枠が減少した影響で発注が減りました。 コロナ突入時期は変化していく中で取引先との連絡も慌ただしかったのですが、2021年からは自社オンラインサイトからの販売に力を入れるようになりました。SNSからの宣伝も活発にしました。

CRAHUGとのパートナーシップ

梶原:CRAHUGとの協業はどのように始まりましたか?

佐越:ECモールでの販売を検討していた頃、ちょうどCRAHUGからお声を掛けて頂きました。内容を伺うと、工場を大切にしてくれる素敵な取り組みだと思いました。モノづくり側にフォーカスしてくれるのは、ありがたいです。今まで裏方だった部分だけど、取り上げてもらえる機会になると思いました。

MATSU レインコート

¥22,000(税込)

DETAIL

新事業の浸透

梶原:コロナ渦の真っ只中にアウトドアブームが到来し、通勤の服もカジュアル化していきました。F/ACSIONの方向性がマーケットニーズと合っていたと思います。 マーケット動向を考え、強みを活かしたブランディングが成功し、かなり順調に進んできた印象があります。

佐越:そうですね。。当初の数字目標はもっと高かったので、それに比べるとゆっくり成長しているように思いますけど、それでも良い方なんでしょうね。 B to C販売は会社としても初めてだったので、OEM主体の考えが軸になっている分、社内に理解してもらうにはギャップがありました。多分、会社としては、もっと簡単に売れるだろうと思っていた様子もありました。最初は関わるスタッフの人数を増やすことも出来ず、新事業の体制を作るのが大変でした。 ですが、F/ACSIONの他にも前垣の名前でワークウェアブランドが成長している影響で、最近は会社の中でもB to C事業について理解されてきたように感じます。

梶原:B to Bは発注量が多いと思いますが、B to Cは利益率が良いのではないかと思います。マーケットが不安定な中で、両方の要素がお互いの数字を支え合うことがベストですね。 佐越さんが中心となり進めていると思いますが、その他の体制はいかがでしょうか?

佐越:社内にデリバリーなどで2名、写真撮影は外部と協力して進めています。

社員モデル写真

社員モデル写真

梶原:自社ブランドを運営していて、良かったと思うことがありますか?

佐越:自分たちが作りたいものを作り、それが購入されて、良かったよ。という声まで聞くことができるのは、やり甲斐があります。エンドユーザーの声を聞くことで、企画もやりやすくなりました。CRAHUGを通して購入してくださったお客様からも、パッカブルの使い方をどうしたら良いのか、洗濯ケアのことなど直接問い合わせを頂いています。

地元の百貨店さんでPOPUPをして頂く機会もあり、お客様との関わりが増えてきました。色々なセレクトさんも最近はネットでリサーチをすることが多いので、デジタル発信していると問い合わせが集まるなど繋がっていくことが多いです。コラボ企画の依頼も増えました。 リクルートとしてもB to Cをやっている点が良い影響になっています。

大和香林坊店POP UP

未来の展望

梶原:今後、F/ACSIONはどのような展開を考えていますか?

佐越:コラボ企画を積極的に進めていく予定です。さらに、オンラインだけでなくリアルな販売機会も増やしていきたいと考えています。CRAHUGとの別注コラボ企画もあり、これからの展開が非常に楽しみです。

梶原:F/ACSIONとCRAHUGは別注コラボ企画も進めていて、もうすぐ販売が開始します!継続的人気があるロング丈の超軽量レインコートをハーフ丈にした製品です。後ろが少し長めのシルエットで、フードや裾にはコード紐が付いていて、シルエットが自分好みに調整出来ます。

佐越:CRAHUGの皆さんと話し合いながら、女性の方に着やすいデザインを検討してきました。これからの春の季節から雨の日もどんな日も軽やかに過ごしてもらえるようなデザインを考えました。

YUZEN マウンテンパーカー

¥26,400(税込)

DETAIL

梶原:F/ACSIONの成長は、工場から新たなモノづくりを発信し続けることの重要性を示しています。小さな芽であるファクトリーブランドが大きく成長していく過程は、日本のモノづくりの未来にとって大きな希望となります。CRAHUGチームとしても、F/ACSIONのさらなる成功を支援し、共に成長していくことを楽しみにしています。佐越さん、貴重なお話をありがとうございました。

Text & Photo:
梶原加奈子

CRAHUGのクリエイティブディレクター。大好きなテキスタイルに関われる日々に感謝。北海道の自然がクリエーションの源。

Date: 2024.04.12

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